15周年記念誌「企業支援にかけるシニアの情熱ー飛躍と挑戦ー」から一部掲載しています。

2006年度(平成18年度)

特定非営利活動法人 産業人OBネットは、川崎重工業(株)を定年退職していた野田浩志氏とその知人数名により、企業を退職した世代が中心になって中小企業・公益法人が抱える経営課題解決の支援を通じて地域社会の発展に寄与することを目的として、平成18年に設立された。

設立の概略経緯はまず平成18年6月21日に設立総会を開催し、野田理事長等の役員の選出と定款の制定等を行い、9月27日に兵庫県知事より認証を受け、9月29日に神戸地方法務局で設立登記を済ませた。

講演会を開催して会員に対する啓蒙活動を行うとともに、公的機関が実施する各種の中小企業支援事業への参画を呼びかけた。

また、人材を求める企業の要請に応じて要員の募集を行うと共に、関連するNPOや人材紹介企業などとの連携ネットワークを築く活動を行った。

さらに近畿経済産業局が実施する中小企業支援事業に団体として参加するなど、活動基盤の基礎固めが行われた。その結果 平成18年度末では会員は17名となった。

2007年度(平成19年度)

設立第2年目となった平成19年度は、まず第一に企業OBを中心とする産業人の本活動に対する賛同者を増やすことを最重要課題として、講演会の実施やOB人材として活躍する意義のPRに努めた結果、年度末時点では個人会員29名、賛助会員1団体となった。

中小企業・公益法人に対する支援については、人材マッチングは紹介実績12件、内成立実績4件、販路開拓は、紹介15件、内成約1件となった。

また活動の仕組みを構築するため、①理事会の月例開催、②役員業務分担の制定、③神戸商工会議所への加入と人材ニーズ情報収集の連携、④ホームページの作成、⑤諸規程の整備などを実施した。

賛助会員として川崎重工業の加入により経営基盤が強化されたことは特筆すべき成果であった。

これらの事業運営を通じて、アドバイザー人脈ネットワークの更なる充実、人材ニーズの発掘に関する公的機関等との連携の強化、会員やOB人材への情報提供の充実などの課題が認識された。

2008年度(平成20年度)

平成20年度は、アドバイザー人脈ネットワークの更なる充実を図った結果、年度末時点での登録アドバイザーは22名となり、有効に機能する会員人脈が確実に広がった。

個人会員数は年度当初の29名から43名に増加し、しかも、発足当時核となった川崎重工業OBのみならず、神戸製鋼所、住友金属工業、帝人、三菱重工業、伊藤忠商事、クラレなど地元有力企業等のOBの参加も得られるようになった。

また、公的有資格者についても従来の技術士、中小企業診断士に加えて、税理士、行政書士などが加わり、専門分野の幅も広がった。

団体会員数も1社増加して2団体となり、当法人の社会的意義が少しずつ認められてきた。

OB人材ニーズの発掘に関する公的機関等との連携では、中小企業庁が当年度から開始した新現役チャレンジ支援事業において、兵庫事務局として指定された神戸商工会議所から企業ニーズの調査業務を当法人が受託し、調査には会員13名が参加して合計28件の報告を行った。

また、近畿経済産業局の販路開拓ナビゲート事業への協力が評価され、平成21年2月には感謝状が授与された。

更に、同事業に当法人と共に協力した関西の6団体とは販路開拓や人材マッチングの分野で連携を深めていくことが確認された。

会員やOB人材への情報提供の充実のため、会員及び一般のOB人材を対象として、研修会等を2回開催し、多くの方の参加を得た。1回は、中小企業に対する国の支援制度についての知識を学ぶ場となり、他の1回は、企業ニーズ調査に参加された方々によるパネルディスカッションで、その苦労と成果を聞き今後の活動に資するものとなった。

また、毎会終了後には懇親会を開催し、会員間及び当法人に関心を抱く方々との間での交流を深めるようにした。

更に、その内容をホームページ上で公開するなど、情報提供の手段としてホームページを充実することにした。

これらの事業運営を通じて 中小企業支援の更なる充実、会員・アドバイザーの積極的参画などの課題が認識された。

2009年度(平成21年度)

平成21年度末での会員数は、個人会員は55名、団体賛助会員は5社となった。

また、前年度の関西の6団体との連携合意を発展させ、京阪神に所在する産業支援型NPOで組織する(一社)関西産業活性協議会(以下KIACと略す)に設立時から加入し、活動範囲も広域にわたってきた。

人材マッチング事業では県内にとどまらず広く独自の人脈で人材ニーズ情報が入るようになり、マッチング成立案件も8件となった。

中小企業が最も期待している販路開拓支援事業では、成立した案件は少なかったが、活動を通じて商品の改良や体制の整備などを提案する契機ともなった。

企業ニーズ調査事業として 新現役チャレンジ支援兵庫事務局(神戸商工会議所)から企業ニーズ調査を引き続き受託し、規模も実績ベースで前年度の28件から49件に拡大した。

新規事業として始めた出前講座事業は3社に対して6名のアドバイザーが講師を引受けるなど順調に成果を挙げた。

また経営者団体の元幹部や中小企業経営者を講師として招き、会員のみならず一般の産業人OBをも対象とした講演会を2回開催した。

講演会の後には懇親会も開催して参加者の交流を深めた。

2010年度(平成22年度)

設立5年目の平成22年度において特筆すべきは会員数の急増で、年度末では個人正会員は79名、賛助会員は12社となった。

中小企業支援活動では前年までの新現役チャレンジ支援事業の受託業務の継続は無かったもののKIAC等関連機関・団体あるいは直接に寄せられたニーズ情報30件を全会員に提供し、応募が無かった6件以外については、それぞれ要請元に紹介して支援実施に繋ぐべく活動した結果、5件の成立を見た。

平成22年7月からは毎月1回の情報交換会を新規に開催し、ほぼ隔月で中小企業による自社製品のプレゼンテーションを実施し、毎回約20名が出席した。

また新規に創設された中小企業応援センターとの連携による人材の紹介は5社について実施され 内1件については当法人会員が支援した。

出前講座事業は前年度に引き続き、安定した需要があり成果を挙げることができた。

その他(公財)ひょうご産業活性化センター(以下ひょうご産業活性化センターと略す)が試行した中小企業新製品開発支援事業(通称:目利き先導役事業)への参画により、当法人会員が中小企業の新製品開発に積極的に関与する機会を得、また、この事業に参画したメンバー数名の入会の契機となった。

会員やアドバイザーを増やすため 会員が直接知人等に入会を勧めたり、講演会等の広報活動を積極的に行った。

賛助会員については支援を実施した企業の入会もあった。

また会員・アドバイザーの支援活動への参画を推進するため 前記の情報交換会や賛助会員・関連団体の関係者を対象とした講演会を2回開催し、参加者のテーマへの関心も高く、引き続き行われた懇親会も盛会だった。

組織面では従来からあった事務局の他に、広報部、人材マッチング・販路開拓事業部、出前講座事業部を設け、個人正会員も希望により部員として活動に参画できる仕組みとした。

広報活動としては、ホームページの役割がますます重要となってきたことを踏まえ、一般の産業人や中小企業主が閲覧しやすいように、機能の拡充、デザイン性の向上を図ると共に当法人の紹介パンフレットも作り変えた。

2011年度(平成23年度)

平成23年度は 個人・賛助会員数においても知名度においても飛躍の年となり、年度末では個人会員97名、賛助会員37社・団体となった。

事業活動は 神戸商工会議所から「ひょうご企業・OB連携推進事業」の中小企業ニーズ調査業務を受託し65件の調査を行った。

KIACとはニーズ案件16件に対応し、近畿経済産業局とは新規事業「中小企業支援ネットワーク強化事業」にネットワークの一員として登録すると共に(公社)兵庫工業会(以下兵庫工業会と略す)及び兵庫県経営者協会との間でそれぞれ相互に入会した。

ひょうご産業活性化センターとは同センター選定の成長期待企業の集まりである「グローバルの会」との連携を模索し、経営革新会の開催を試行した。

これにより中小企業事業主と直接接触する機会が増え、賛助会員の増加や、経営課題解決支援案件の発掘につながった。

(公財)神戸市産業振興財団(以下神戸市産業振興財団と略す)とは「川上川下ビジネスネットワーク事業」、「省エネ診断事業」、「神戸発・優れた技術の見直し事業」などに協力するメンバーを推薦し、計6名の会員が参画した。

これらの公的機関の事業等で必要とする人材の推薦や企業に赴いての支援活動を通じて多数の会員に参画の場を提供することができた。

また西宮市に「中小製造業振興・活性化事業」を提案した。

情報交換会の毎月開催が定着し、希望企業による販路開拓プレゼンテーションや当法人の活動状況の連絡、会員からの質問・提案等を行い、出席者の人数は平均30人を超えた。

9月に設立5周年記念行事として、前兵庫県知事の貝原俊民氏(当時)を講師としてお招きし、「長寿国にっぽんをめざして」と題した講演会を開催した。

約200名の聴衆を前に、人は定年後も78歳までは働くべしという持論を展開され、当法人の目指す方向と一致していると激励を受けた。

この講演を契機に当法人の知名度が急速に上がり、マスメディアでも度々取り上げられるようになった。

平成24年2月の定例の講演会では、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏による「ラジオというメディア」のテーマでお話を伺った。

後日 同氏の番組に野田理事長が出演して活動を始めた動機などを語り参加を呼びかけた。

ホームページの改善として Googleなどで「産業人OBネット」を検索すれば、当法人関連記事が多数ヒットするようになった。

また 講演会などのイベント内容に加え、新たにアドバイザー情報の掲載、寄せられた相談の実績、毎年度決算内容の一般公開など情報公開の充実に努めた。

2012年度(平成24年度)

平成24年度末での個人・賛助会員数は、個人会員114名、賛助会員35社・団体で安定的に推移しており、マスメディアでの当法人の紹介やこれまでコンタクトのなかった公的機関等からの問い合わせの増加など、着実に当法人の知名度は上がってきた。

また 平成24年10月には長年の懸案であった自前事務所(面積5.7m2)を新長田に開設し、連絡の至便性向上や打合せの随時使用などNPO法人としての基盤を固めることができた。

一方、事業活動は、平成24年4月から新設したサポート事業部を中心とした組織的活動により、神戸商工会議所から中小企業ニーズ調査業務を受託(55案件)した他、中小企業から当法人へ直接依頼のあった案件(17件)の合計72案件や、公的機関・関連団体の事業等で必要とする人材の推薦や企業に赴いての支援活動を通じて多数の会員に参画の場を提供することができた。

関連機関・団体との連携では KIACとはオープンイノベーション事業(3名)や海外サポートセンター事業(3名)への参画を、ひょうご産業活性化センターとは 経営革新会を平成25年1月から「グローバルの会」と共同で開催することとした。

神戸市とは新設の「アジア進出支援センター事業」のアドバイザーとして10名を推薦し、委嘱された。

姫路商工会議所と事業協力について相互に連携を推進することで合意し、養父市商工会とは同商工会主催の養父市産業フェア2012に参加した。

また西宮市と「中小製造業 振興・活性化事業」により市内中小企業19社のニーズ調査を行うと共に、 西宮市・西宮商工会議所主催の「にしのみや産業フェア2012」のビジネスサポートコーナーに参加し、中小企業数社の販路開拓、企業経営等の相談に応じた。

さらに企業と会員あるいは会員同士の相互理解の向上を図るため 講演会の年2回開催に加え、情報交換会の毎月開催、経営革新会のほぼ毎月開催を行い、これらを通じて会員が直接に顔を合わせ、企業経営者とも知り合う機会が増し、チームとしての活動を目指しつつ、会員と企業とのマッチングの機会を着実に増やすことができた。

また個人会員向けの基礎的研修のほか、実際の企業が抱える課題解決をテーマとした実践的研修会も行い、企業及び参加者から好評を博した。

組織面では 従来の人材マッチング・販路開拓事業部を統合再編し、サポート事業部を新設し、その下にサポート情報部とサポート推進部を設け、ニーズ調査、ニーズ案件への対応力を強化した。

また従来の広報部に研修・連携機能を付加して、広報研修部を新設し、ホームページを中心とした情報発信の継続的改良、会員研修計画の立案実施、経営革新会及び講演会の企画・実施力を強化した。

ホームページについては取り扱い情報量の増加に伴い、サーバー容量を1GBから10GBに増強した。

2013年度(平成25年度)

平成25年度末での個人会員は104名、賛助会員は35社・団体となった。

当法人の活動のベースとなる中小企業の支援活動(ニーズ調査、人材マッチング、企業支援等)件数は 神戸商工会議所からのニーズ調査と独自調査による合計80案件とほぼ前年並みであった。

関連機関・団体との連携では KIACと近畿経産局のオープンイノベーション推進事業や経産省補助金関係の地域事務局業務支援や大学生対象のインターンシップ講座の講師募集等に参画した。

神戸市産業振興財団から「大手企業社内での展示商談会技術提案書作成支援業務」を受託し、プレゼン資料作成等を支援した。

また兵庫県経営者協会紹介の「高校生に対する職業体験講話」に参画すると共に、兵庫工業会による「兵庫ものづくり人材マッチング事業」の説明会を当法人の情報交換会において行い、相互の今後の連携を確認した。

ひょうご科学技術協会とは「播磨ものづくり技術者派遣事業」の契約を締結した。

地方自治体関連では 兵庫県新規事業「ひょうご「農・産」人材マッチング支援事業」で4名のコーデネーターが活動した。

また兵庫県、神戸市及び(公財)新産業創造研究機構で構成される実行委員会(以下兵庫県等の実行委員会と略す)から「国際フロンティア産業メッセ2013 ビジネスマッチング支援事業」を受託し、8名のメッセナビにより出展企業のニーズ調査や来場企業の勧誘訪問及びマッチング活動を行い、100件のマッチング報告書を作成し、ビジネスチャンスの拡大に貢献した。

平成25年度の国の中小企業支援施策の一環としての「中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業(専門家派遣事業)」が開始され、当法人も地域のプラットフォームの構成機関の一つとして認定され、当法人メンバーも20名以上が登録し、活動機会がますます増加してきた。

組織面では地方自治体や関係機関・団体等との連携や事業の受託を推進するため、渉外・受託企画部を新設し、また公的機関等との間で進行中の案件や、今後受託する事業について実施する機能として、第1プロジェクト部と第2プロジェクト部をサポート事業部の下に新設した。

また個人・団体会員種別の見直しを行い、これまでの正会員と賛助会員の2種に加えて特定会員を設けた。

また個人会員については 会員とアドバイザーを分離した。これにより 「法人運営を主体的に行う個人正会員」、「賛助のみを目的として会員となる個人または団体賛助会員」、「企業の支援活動を主体的に行うアドバイザー」、「当法人から何らかの支援を受けることを期待して入会する団体特定会員」に種別し、それぞれが入会目的に適合した種別の会員を選択できるようにした。

これらの特定会員の新設を初めとして、理事会の運営をよりスムースにするための改善や功労者の処遇方法なども織り込んで、定款の見直しを行い、平成25年9月に神戸市の認証を取得した。

このほか、アドバイザーの中小企業支援スキルを向上させ、効果的に支援が行われることを目指して、基礎研修会を3回、情報交換会、経営革新会を定期的に開催すると共に、フォーラムを2回実施した

一方、財政面からは企業支援活動・プロジェクト活動の増大にともなう交通費等の経費や事務所費も増加してきており、財政基盤の強化対策として個人会員会費の値上げを実施したが、団体会員年会費の支払い方式変更に伴う会費収入減等により経常収支は赤字となった。

また、NPO法人の中でも一段と公共性が高く運営実態も優れている法人に対して与えられる「仮認定NPO法人」格を平成25年7月に神戸市より取得した。

2014年度(平成26年度)

平成26年度末時点で、個人会員(正会員と賛助会員)は110名、アドバイザーは90名(個人会員との重複あり)に、団体会員(特定会員と賛助会員)は44社・団体となった。

当法人の活動のベースとなる中小企業の支援活動は3年間継続した神戸商工会議所からのニーズ調査事業の委託業務が前年度で終了したため 特別チームを編成するなど調査活動を行った結果、49件のニーズ調査件数を計上することができた。

また、KIACとは「オープンイノベーション手法を活用した戦略的アライアンス構築に向けた基礎調査」で、ひょうご産業活性化センターとは「異業種交流活性化支援事業」で、兵庫県経営者協会とは「高校生に対する職業体験講話」で、神戸市産業振興財団とは「中小企業販路拡大支援事業 技術提案書作成等支援業務」で、兵庫工業会とは「兵庫ものづくり人材マッチング事業」等 各支援機関との連携の機会も多くなった。

さらに、兵庫県からの平成26年度企業支援型地域創造事業「ひょうご「農・産」マッチング支援事業」ではプロジェクトマネージャーと3名のコーディネーターにより県内の集落営農を訪問し二-ズ調査を行い、生産物のインターネット販売の構築や集落営農経営者への管理者教育などの活動を行った。

本業務は当法人として初めての雇用形態による活動であったので、雇用・労務関連と会計関連は当法人の専門家と業務委託契約を結び、適切な運営管理を行うこととした。

前年に引き続き兵庫県等の実行委員会からの「国際フロンティア産業メッセ2014ビジネスマッチング支援事業」ではプロジェクトマネージャーと6名のメッセナビにより、出展企業のニーズ調査、研修会の実施、来場者の勧誘、及び当日の出展企業へのマッチング活動を行い、目標の150件のマッチングを達成し、ビジネスチャンスの拡大に貢献した。

その他広島県(ひろしま産業振興機構)から「販路開拓ハンズオン支援事業」を受託し、広島県の6社の製品を兵庫県の企業に紹介するなどの支援活動を行った。

加西市とは「若者起業支援事業」のパートナーシップ協定を結び、起業希望者に起業準備を支援することになった。

また 長崎県、愛知県や豊岡市などからも「ものづくり中小企業支援事業」等に関する問合せ依頼や、JICA(国際協力機構)/ODA(政府開発援助)を活用した海外案件の検討など当法人の活動は地域的にも分野的にも拡がり始めてきた。

100名を超える個人会員及びアドバイザーのコミュニケーションを良くし、支援活動を活性化する目的から、スキルアップなどの各種研修会の実施や経営管理・販路開拓・技術開発及び生産管理の4つの非公式活動グループを発足させた。

新入会員を中心とした基礎研修、アドバイザーのスキルアップ研修(2回)、団体特定会員をはじめ企業への補助金申請を支援するためのセミナー(2回、各28社参加)や定年退職者のためのセミナー(1回、21名参加)などを開催し、研修やセミナーの充実を図った。

なお 恒例の講演会は 佐藤正久参議院議員の「守るべき人がいる」を演題に、85名の参加者を得て盛況に開催することができた。

組織面では プロジェクトの受託から実行までを一貫して推進するため、従来の渉外・受託企画部とプロジェクト部を改編し、開発企画部と支援推進部で構成するプロジェクト事業部をサポート事業部と並列して新設した。

また業務の進捗状況、予算管理状況などを各プロジェクトマネージャーが毎月理事会に報告することにした。

一方、財政面からは 企業支援活動・プロジェクト活動の活発化に伴う交通費等の経費も増加したが、平成26年8月に実施した新長田から神戸市産業振興センター(事務所面積 約9m2)への事務所移転による家賃の低減やプロジェクト業務契約による管理間接費の確保及び協力金・寄付金の増大により経営収支は黒字となった。

2015年度(平成27年度)

平成27年度末時点での会員状況は 個人会員(正会員と賛助会員)は130名、アドバイザーは102名(個人会員との重複あり)に、団体会員(特定会員と賛助会員)は44社・団体となった。

平成27年度の当法人を取り巻く環境は 国による中小企業支援施策の継続、地方創生のための若者就業・起業支援事業や農業改革 及びシニア人材の活用推進などにより、当法人の中小企業支援活動やプロジェクト活動の機会は従来に比べ地域的にも分野的にも活動が大幅に拡がる結果となった。
即ち 活動の基盤とする中小企業の支援活動については、ニーズ調査研究会を中心にして過去に支援活動を行った企業、メッセ、展示会に出展している企業、補助金申請セミナーに参加する企業等に対して、ニーズ調査を行った結果、ニーズ調査案件は74件になった。

また当法人の関係支援機関・団体(関西産業活性協議会、ひょうご産業活性化センター、兵庫県経営者協会、神戸市産業振興財団、兵庫工業会等)との連携の緊密化及び兵庫県等の実行委員会からの「国際フロンティア産業メッセ2015ビジネスマッチング支援事業」、広島県ひろしま産業振興機構から「販路開拓ハンズオン支援事業」、神戸市から「中小製造業訪問事業」、加西市とは「若者起業支援事業」など4件のプロジェクト業務を受託することができた。

さらに初めてのJICA/ODA海外支援事業も企業から受託することができた。

また 会員・アドバイザーのコミュニケーションを良くし、極力多くの会員・アドバイザーが支援活動に参画できるよう 新入会員基礎研修やグループ活動の実施とともに、団体会員をはじめ企業への補助金申請支援セミナーなど、研修・セミナーの一層の充実を図ることができた。

特に 神戸新聞社との共催による「ものづくり企業の受注につながる情報発信セミナー」及び「フォーラム:健康で生きがいあふれるシニアライフを送るために」はいずれも100名を超える参加を得て盛況に開催することができた。

さらに平成25年7月に神戸市から取得した「仮認定NPO法人格」については、パブリックサポートなどの残った評価基準をクリアし、平成27年10月23日に「認定NPO法人格」を取得することができた。

また創立10周年記念実行委員会を設立し、講演会、記念誌発行などの準備を行った。

なお財政面では 活動の活発化に伴う旅費交通費や会計処理に係る業務委託費の増大があったが、プロジェクト案件増加による協力金増大や管理間接費確保により平成27年度の経常収支は黒字となった。

2016年度(平成28年度)

事務所

事務所 2016年4月1日

平成18年9月設立以来 満10年が経過し、平成28年9月には設立10周年記念行事を行った。平成29年3月末時点での会員状況は 個人会員(正会員と賛助会員)は137名、アドバイザーは104名(個人会員との重複あり)に、団体会員(特定会員と賛助会員)は50社・団体となった。

平成28年度の当法人を取り巻く環境は 国による1億総活躍社会の実現、地域経済・中小企業の活

性化、海外展開支援事業や農林水産6次産業化支援事業などにより、当法人の中小企業支援活動やプロジェクト活動の機会は従来に比べ分野的にも拡がる結果となった。即ち 活動の基盤とする個別企業支援活動(64件)のほか、当法人の関係支援機関・団体(関西産業活性協議会、ひょうご産業活性化センター、兵庫県経営者協会、神戸市産業振興財団、兵庫工業会等)との連携による支援活動案件及び兵庫県、神戸市等からの「国際フロンティア産業メッセ2016ビジネスマッチング支援事業」、神戸市から「中小製造業訪問事業」「海外展開実態調査訪問事業」、加西市からも引き続き受託するなど4件のプロジェクト業務を受託することができた。さらに海外支援事業も2社の企業から受託することができた。

また 会員・アドバイザーのコミュニケーションを良くし、支援活動の活発化を図るため、情報交換会や経営革新会をベースとして新入会員基礎研修、ものづくり補助金や自己PRプレゼン能力向上の勉強会など、研修・セミナーの一層の充実を図ることができた。特に 団体特定会員などの企業とアドバイザーによる合同プレゼン会を実施し、相互の交流を更に深めることができた。

10周年記念講演会 講師:井戸敏三知事

10周年記念講演会 講師:井戸敏三知事 2016年9月16日

10周年記念行事では 兵庫県知事の井戸敏三氏を講師にお招きし「兵庫創成に向けたシニアの活躍」と題した特別講演会を開催した。

321名の聴衆を前に 兵庫県の主な経済・雇用政策及びシニアの活躍の重要性を強調された。

また 設立10周年記念誌「企業支援にかけるシニアの情熱」を制作し、会員、関係企業・団体等に配布した。

なお財政面では 「はぁ-とふるふぁんど」から「シニア向け中小企業人材ニーズ啓発事業」のテーマで支援金を受給し、平成28年度の経常収支は前年に引き続き黒字となった。

パネルディスカッション

OBネット団体会員企業パネルディスカッション 2016年9月16日

10周年記念講演会 交流会 2016年9月16日

2017年度(平成29年度)

平成30年3月末時点での会員状況は 個人会員(正会員と賛助会員)は145名(重複あり)、アドバイザーは109名(個人会員との重複あ り)に、団体会員(特定会員と賛助会員)は 54社・団体となった。

平成29年度の当法人を取り巻く環境は 国による1億総活躍社会の実現、第4次産業革命の推進、中 小企業の生産性向上・経営力強化、農林水産業の育成のための諸施策などにより、当法人の中小企業支援活動やプロジェクト活動の機会は、前年に比べ分野的にも拡がる結果となった。

即ち 活動の基盤とする個別企業支援活動(63件)のほか、当法人の関係支援機関・団体(ひょうご産業活性化センター、兵庫県経営者協 会、神戸市産業振興財団、兵庫工業会等)との連携による支援活動案件、及び関西産業活性協議会経由近 畿経済産業局からの「戦略的基盤技術高度化支援事業/ビジネスマッチング支援事業」、さらに兵庫県、 神戸市、(公財)新産業創造研究機構(NIRO)からの「国際フロンティア産業メッセ2017ビジネ スマッチング支援事業」、神戸市から「中小製造業訪問事業」、明石市から「中小企業経営安定化業務委託」 等の6件のプロジェクト業務を受託することができた。

また 会員・アドバイザーのコミュニケーションを良くし、支援活動の活発化を図るため、情報交換会や経営革新会をベースとして新入会員基礎研修、ものづくり補助金や自己PRプレゼン能力向上の勉強会など、研修・セミナーの一層の充実を図ることができた。

特に 団体特定会員などの企業とアドバイザーによる合同プレゼン会を昨年に引き続き実施し、相互の理解・交流を更に深めることができた。

また 団体会員向け会報として産業人OBネット便りの第一号を平成30年1月に発刊した。

ロボットフォーラム

ロボットフォーラムパネルディスカッション 2017年11月10日

平成29年11月のフォーラムでは 川崎重工業(株)の橋本康彦常務執行役員による「産業用ロボッ トの将来と技術」と題した講演会及びパネルディスカッションを開催し、122名の参加者のもと 特に中小企業でのロボットの利 活用やロボット分野への部品供給の取組例を紹介して頂いた。

前年発足した情報管理部、出前教育部では それぞれ活動を開始した。

なお財政面では、平成29年度の経常収支は前年に引き続き黒字となった。

2018年度(平成30年度)

平成31年3月末時点での会員状況は、個人会員(正会員と賛助会員)及びアドバイザーは133名、団体会員(特定会員と賛助会員)は 57社・団体となった。

平成30年度の当法人を取り巻く環境は 国による1億総活躍社会の実現、特にIoT、AI、ロボットなどの第4次産業革命の推進、中小企業の生産性向上・経営力強化、農林水産業の育成のための諸施策などにより、当法人の中小企業支援活動やプロジェクト活動は分野を拡大し成果を上げることができた。

即ち 活動の基盤となる個別企業支援活動については、質及び量の拡大をめざし活動を行い、中小企業のニーズ掘り起こしと各案件の突っ込んだフォローアップをするため組織的強化充実とナビゲーター要員の増員を図った。加えて、兵庫県、神戸市、(公財)新産業創造研究機構(NIRO)の「国際フロンティア産業メッセ2018ビジネスマッチング支援事業」、神戸市の「中小製造業訪問・支援事業」、明石市の「中小企業経営安定化事業」、ひろしま産業振興機構の「大都市圏営業支援事業」等の8件プロジェクト業務を受託することができた。

また 会員・アドバイザーのコミュニケーションや意思疎通を良くし、支援活動の活発化を図るための情報交換会やさらに新人のレベルアップを図るための新入会員基礎研修及び自己PRプレゼン能力向上勉強会など、研修・セミナーの一層の充実を図ることができた。

特に団体特定会員などの企業とアドバイザーによる合同プレゼン会を昨年に引き続き実施し、相互の理解・交流を深めることができた。

また団体会員向け会報として「産業人OBネット便り」の第2号から第4号までを刊行した。

人の採用と人づくり

フォーラム「人の採用と人づくり」2018年11月29日

平成30年11月のフォーラムでは 「強みを活かす、違いを超えた人財育成」をテーマに白光株式会社の吉村加代子社長にご講演をいただき、111名の参加者のもと中小企業における人材育成についての取り組みの紹介があった。

新組織発足2年目になった情報管理部、出前教育部では、それぞれ活動の充実を図った。

なお財政面では、平成30年度の経常収支は前年に引き続き黒字となった。

情報交換会

情報交換会 2018年6月4日

2019年度(令和元年度)

令和2年3月時点での会員状況は、個人会員(正会員と賛助会員)及びアドバイザーは135名、団体会員(特定会員と賛助会員)は、56社・団体となった。

令和元年度を取り巻く世界経済は米中貿易戦争の影響を受け、保護主義的傾向が強まり先行きに暗雲が立ち込み始め、成長の鈍化がみられる様になった。

一方日本経済も前年10月から消費税のアップが実施され、また自然災害が繰り返し起こり、成長が懸念される状況となった矢先に新型コロナウイルスの影響が日増しに拡がり、それ以降予期せぬ足かせになった。

その様な状況の中で、当法人を取り巻く環境はIoT、AI、ロボット等の採用による経営及び生産の画期的な変革の時期にきており、中小企業支援において広く認知、採用の役割を果たしながら支援分野の拡大を図り成果を上げてきた。

具体的には設立当初から行ってきた個別企業支援活動については、より質の高い企業支援を実施すべく、ナビゲーターの役割を強化し組織の充実を図った(36件)。

また兵庫県、神戸市、(公財)新産業創造研究機構(NIRO)の「国際フロンティア産業メッセ2019ビジネスマッチング支援事業」、新しく受注したひょうご活性化センターの「IoT、AI専門家派遣事業に関するものづくり企業発掘業務」、神戸市の「中小製造業訪問調査」、明石市の「中小企業経営安定化事業」、ひろしま産業振興機構の「大都市圏営業支援事業」等の6件のプロジェクト業務をより幅広く受託することができた。

また会員・アドバイザーの会合の場である情報交換会でお互いのコミュニケーションの活発化や企業のプレゼン等を行い、さらに新入会員の研修会では、当法人の活動の趣旨、内容を研修した。プレゼン大会で企業を含め新入会員の紹介、プレゼンを行う等、活発な活動をすることができた。

団体会員向けには「産業人OBネット便り」を年3回の発行し、当法人の理解を深めて頂く一助になった。

11月のフォ-ラムでは、「IoTの現状と将来展望」と題し、92名の参加者のもと 昨今の中小企業の人手不足解消や合理化促進のための一つの解決策を検討した。

出前教育部では活動の幅を広げ内容も充実してきた。

その結果、令和元年度は前年に引き続き黒字を維持することができた。

2020年度(令和2年度)

令和2年度は ほぼ1年間新型コロナウィルスの猛威により世界中で多数の死亡者がでて、経済活動の大幅な後退が起こった。

わが国では昨年3月頃から感染が拡大し、4月に緊急事態宣言が発出され、5月には解除されたものの7~8月に第2波、11~12月に第3波と医療提供体制にも大きな影響がでて 令和3年1月には2回目の緊急事態宣言が発出された。

この状況の中で令和3年3月末時点での会員数は 個人会員アドバイザーが124名、団体会員が60社・団体で、支援活動は コロナの影響を受け「企業の抱える課題解決の支援業務」案件は例年の半分以下(20件)で、またプロジェクト業務は「国際フロンティア産業メッセ2020ビジネスマッチング支援事業」、「神戸市の中小企業訪問調査業務」の2件など大幅に案件が減少した。出前教育活動では 補助金申請支援、企業や大学・高校での講義・研究指導、ポリテクセンター兵庫の「生産性向上研修講座」など前年より微減で推移した。一方 企業様との支援活動を積極的に行えない状況の中で、神戸市からは「中小製造業支援施策手続きに対する支援業務」として、中小製造業が容易にかつ迅速に持続化給付金等の支援施策窓口にたどり着けることを目的としたセルフチェックシートを作成・更新する支援業務を受託し、市のホームページにも掲載された。

OBネット主要行事にも大きな影響が出て、5月の総会は書面評決方式を、理事会、情報交換会、部会などは中止もしくはリモート会議を、例年行われる11月のフォーラム、令和3年2月の合同プレゼン大会は中止となった。

また OBネットの支援活動・運営の方法もこの機会に見直しを行い、これまで企業との個別支援業務は 企業とアドバイザーとの直接契約であったが、支援活動をアドバイザーだけでなくOBネット全体でも推進し、フォローしていくために企業とOBネットが契約することに変更した。

更に団体会員企業に対するサービスの見直し、コミュニケーションを良くするために各企業を訪問(またはリモート会議)し、相互の情報交換及びOBネットに対する要望、アドバイスを伺った。

団体会員向けの「産業人OBネット便り」も年3回の発行し、当法人の理解を深めて頂く一助になった。

さらに平成27年10月に神戸市から取得した「認定NPO法人格」については、5年毎の継続審査を申請し、承認された。

また創立15周年記念実行委員会を設立し、講演会、記念誌、事例集更新版発行などの準備を行った。

なお 令和2年度の経常収支は コロナによる案件が減少した分赤字となった。

補助金セミナー

補助金セミナー 2021年3月31日