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OBネット便り

産業人OBネット便り(第22号)

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新年のご挨拶

特定非営利活動法人 産業人OBネット
理事長 井上和夫

会員の皆様
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
昨年発生した能登半島地震そして豪雨で被害に会われた方々に改めてお見舞い申し上げます。いまだ復旧の道半ばの状況から一日も早い復旧・復興を心から願ってやみません。

さて産業人OBネットは設立19年目を迎えました。長年培った経験や人脈をもとに中小企業支援活動に取り組み、引いては地域社会に貢献するという理念に賛同し参加してくださった会員の皆様、並びに当法人の活動にご理解・ご支援をいただきました会員企業様や公的機関様に心より感謝申し上げます。

この一年を顧みますと、ロシアのウクライナ侵攻泥沼化やイスラエル・パレスチナなど中東での政情不安に起因する円安が継続し、輸入原材料高・物価高に加えて賃金アップ・人手不足も相まって、企業の皆様にとって多くの課題に直面されたものと思います。

このような状況下でOBネットでは、プロジェクト案件として「国際フロンティア産業メッセ2024」「中小製造業実態調査訪問事業」に取り組み、個別案件では企業様の要望に合致した支援活動を展開して参りました。そして出前教育では、高校研究支援をはじめ企業の研修も多数あり高い好評をいただいております。また補助金申請支援では、新たに事業再構築補助金の申請書作成まで行い採択に結びつき大きな成果が得られました。

一方OBネットの運営に関しましては、数年来の課題でありました「財政健全化」に取り組み「協力金の見直し」や経費削減等により収益改善の効果が見えてきました。11月には恒例のフォーラムを開催し「中小企業のDX実施例にみる経営改善効果」の基調講演、事例発表「企業による経営改善(2社)」に続き交流会にも多数のご参加をいただきました。

2025年では会員一丸となって昨年以上の活動を行って参ります。①プロジェクト案件の確実な実行 ②個別ニーズ案件の掘り起し ③出前教育の拡大(特に補助金支援)の3本柱を中心に、カーボンニュートラル、SDGs、 DXなどの分野についても積極的に取り組み、企業様のご期待にお応えできように会員・アドバイザーの強化を図って参ります。

2025年はOBネットにとって更なる飛躍に取り組むチャンスと考えておりますので本年も引き続きご指導ご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

皆様のこの一年のご健康とご発展を祈念しまして新年のご挨拶とします。

フォーラムの開催

今年度のフォーラムを11月12日神戸市産業振興センターで開催しました。

いま企業に求められているのは業務効率改善、生産性向上による競争力の強化で、その有効な手段の一つがDX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、既に取り組んでいる中小企業は15%です。

「どこから手をつければよいのか」「デジタル化とは何が違うのか」等という悩みを多くの企業が抱えています。

その状況を背景として、今年のテーマを「中小企業のDXによる経営改善」として、神戸市経済観光局工業課 西田課長の「DXお助け隊」の概要説明後、中村安男氏による「基調講演」に続いて、DXを実践された企業に「事例発表」をして頂き、OBネットからは「支援状況」を紹介いたしました。

【参加者】:公的機関・団体、一般企業から25名、OBネット33名、合計58名

【講演】
【神戸市お助け隊の概要】
(講師):神戸市経済観光局工業課
課長 西田淳一 氏

【基調講演】
【中小企業のDX実施事例にみる経営改善効果】
(講師):神戸市中小企業DXお助け隊アドバイザー
DXきっかけづくりお助け隊アドバイザー
中小企業診断士
中村 安男 氏

【企業による事例発表】
・株式会社ヤマヨ山本商店
代表取締役社長 山本 哲士 氏
・東洋ナッツ食品株式会社
生産本部長補佐課長 倉内 敏章 氏

【産業人OBネットの支援状況の説明】
(講師):産業人OBネット 副理事長兼
支援活動事業部長 板倉 範幸 氏

アンケートでは、基調講演でDXの意味・効果が理解でき、続く事例発表で「大いに参考になった。

自分の会社でも出来そうな気がするので、取り組んでみようと思う」との好意的、前向きな感想を頂き、有意義なフォーラムとなりました。

中村氏 中村氏のメッセージ フォーラム会場

フォーラム後の交流会

フォーラム後、レストランハートスにて交流会が開かれました。
団体・企業様を含め39名の参加があり、フォーラムの講演の延長上の話に始まり、各団体・企業の事業、製品内容にとどまらず、日頃抱える悩み事など、忌憚のない意見交換がなされ、文字通り有意義な交流の場となりました。

交流会

スキルアップ研修会

12月12日、今年度のスキルアップ研修会(マイログ作成)第1回を実施しました。

この研修会は、OBネットの活動の肝である、顧客【ニーズ】とアドバイザーの【シーズ】の最適マッチングを目的として、

①アドバイザー各人の知識・経験・スキルのデータを共有するための、マイログ(マイカタログ、自分カタログ)作成、
②それらを外部発信することにより新たなニーズの発掘に繋ぐための、マイプレゼンの作成のための実践的な研修会です。

受講者は新たに入会された西原進さん、石田謙太郎さん、月森資博さん、佐藤悦祐さん、玉木利裕さん、高野実さんの6名。

講師の池田ADからは、マイログ、マイプレゼン作成の5つのステップ他の教材を使って、プレゼン資料作成について効果的な指導をして頂きました。

1月16日に第2回の研修会を実施してブラシュアップし、既にご案内差し上げている2月10日開催の「第8回プレゼン&交流大会」において、皆さんにプレゼンさせて頂きますので、乞ご期待。

2024年度・支援活動事業部活動報告

副理事長兼支援活動事業部長 板倉範幸

1.勉強会開催:第24回〜第30回。ハイブリッド方式で開催。延参加者数86名

  • (1)年間テーマ「脱炭素xSDGsxDX」を主要テーマに毎月1回開催。
  • (2)因みに1月〜3月「脱炭素社会」概要とそれに深くかかわるCOPの概要紹介。
  • (3)第24回〜第30回は「COPの詳細とエネルギー関連」につき話題提供。
  • (4)8月、9月は休会。10月より再開。1月からは「補助金」をテーマに、リモートで実施予定。

2.補助金申請支援:

  • (1)補助金申請支援セミナー開催:
    6月11日リモートで開催。
    10社・12名が参加。
    「第12回事業再構築補助金」の大幅な公募内容変更点の解説並びに新規制定の「中小企業省力化投資補助事業」の紹介。
  • (2)支援:第12回事業再構築補助金を1件、チーム対応で添削・助言し、採択され、
    採択後の支援に向け取り組み中。

3.個別支援案件(サポート部):

  • (1)2024年度の4件を含め、目下14件の支援案件が稼働中。
  • 4.産業メッセ2024(プロジェクト開発企画部):
  • (1)今年度は大幅な予算削減の中で、可能な限りの効率化、経費削減で臨んだ。PM1名、SPM2名、ナビゲータ6名の計9名で活動した。
  • (2)事前研修会:7月4日、12社が参加し盛会。
  • (3)メッセ当日(9月5日〜6日)マッチング246件
    A評価33件、B評価64件。青森の出展企業4社含む
  • (4)フォローアップ39件。結果:Ⅰ-3件,Ⅰ〜Ⅱ-3件

5.KGK2024(プロジェクト開発企画部)

  • (1)今年から委託元が神戸市工業課から(公財)神戸市産業振興財団に移管。
  • (2)キックオフ会議:6月14日、PM1名、SPM1名、調査員10名の計12名で活動
  • (3)初回訪問企業87社(目標80社以上)となり、深掘り再訪問調査活動に注力
  • (4)訪問活動を2月末目標に終了させ、3月15日までに報告書提出の予定。

6.出前教育部関連:

  • (1)企業の社内研修:4月に2社、5月に1社、7月に1社単発実施。他に毎月の安全研修を1社継続中。
  • (2)SSH覚書締結:今年も神戸高校とOBネットは覚書(7年連続)交わし支援中。
  • (3)他に明石北校SSH運営員会や宝塚北校SSHの支援(スポット的)もしている。
  • (4)「中小企業省力化投資補助事業」向け支援AD養成研修プログラムを実施予定、2月〜4月(計5回)。5月より同補助金に限り補佐的実践開始。
  • (4)神戸学院大特別講義:7月12日「脱炭素社会に向けた経済学の叡智〜COPを知ろう」を講義。(経済学部:3年ゼミ生40名)

2025年主要行事予定

1月16日 スキルアップ研修会(於:産業振興センター)

OBネットアドバイザーのスキル向上を図り、皆様に質の高いご支援を提供すべく毎年新入会員を対象として実施しております。

2月10日 第8回 プレゼン&交流大会(団体会員企業×アドバイザー)

(於:産業振興センター10階、13:30~)
団体会員企業様(1社)のプレゼン、OBネットの補助金申請支援のプレゼン、並びに新入アドバイザーのプレゼンを予定。
終了後は、交流会を開催して一層のコミュニケーションを図ります。

3月17日 (予定) 補助金申請支援セミナー。

必要に応じ複数回開催予定。

5月14日 第19 回 通常総会 (於:産業振興センター8階)

9月4日~5日 「国際フロンテイア産業メッセ2025」 (於:神戸国際展示場)

11月(予定) 産業人OBネット フォーラム
月例開催

●勉強会

OBネット会員が自己研鑽に取り組み、更なるレベルアップを図る場を提供し、OBネットの支援領域の拡大を目指して毎月1回程度開催します。
テーマは「補助金」。会員ならびに会員企業様のご参加をお待ちしています。(全リモート形式)

●情報交換会

原則毎月第1水曜日に、神戸クリスタルタワー・ボランタリープラザで開催予定。企業様の会社概要、課題、OBネットへの支援要請内容等をプレゼンいただき、それを受けて当アドバイザーが課題解決に向けて、一緒に考えて参ります。是非この場をご活用ください。

産業人OBネットの会員数

産業人OBネットの会員数(2025年1月1日現在)

個人会員総数:101名(正会員:84名、賛助会員:21名、アドバイザー:79名)

団体会員総数:60社・団体(賛助会員:44、特定会員:36)

2025年度・支援活動事業部活動計画

1.勉強会開催:第34回〜40回

  • (1)テーマ:「補助金」
  • (2)1月より以下の方針で開始する。(第31回〜33回)
  • (3)形式:全リモート(リアルの参加者はOBネット事務所で対応)
  • (4)開始時間は15:00〜とし、団体会員でも比較的参加しやすい時間帯とする。

2.補助金申請支援活動

  • (1)「中小企業省力化投資補助事業」申請支援に向けたADの養成研修を実施(2月〜4月) 5月以降、当該補助事業申請支援に限り補佐的役割を担っていただく。
  • (2)令和6年補正予算で、新規の補助金も登場するので、タイムリーに概要紹介するため、「補助金申請支援セミナー」を年複数回実施したい。第1回は3月中旬を計画している。(詳細は後刻通知する)

3.個別支援案件(サポート部):

  • (1)引き続き個別支援案件を掘り起こし、丁寧に対応していく。
  • (2)KGKやメッセ終了後の企業フォローを実施し、課題解決に向け支援していく。
  • (3)上記「補助金」に関し、支援者のすそ野の拡大や、「勉強会」を通して情報共有を高め、企業の支援に資するようにしたい。

4.産業メッセ2025(プロジェクト開発企画部):

(1)2024年度で、経費削減に対応した活動パターンを一通り習得できたので、更に効率化を目指した取り組みを推進していきたい。

5.KGK2025(プロジェクト推進部):

  • (1)(公財)神戸市産業振興財団の業態が2025年4月から大きく変更されるので、それに対応した取り組みを推進していく。
  • (2)2024年度で深掘り調査に関し、いろいろ経験したことを踏まえ、2025年度はより効率の良い対応をし、活動期間を12月までに終える計画を立て、実践していく。

6.海外支援推進部部関連:

  • (1)KGKや産業メッセ等各支援活動の中から海外案件を抽出し、支援できる方向で検討を進める事に注力したい。
  • (2)JICA関西との連携を強化し、企業支援に結び付けていきたい。

7.出前教育部関連:

  • (1)企業の社内研修:産業人OBネットとしてメニューを充実させ、チラシを刷新し、HPにもアップしており、会員にも協力頂き一層のPRをしていく。
  • (2)ポリテク兵庫オープンコース研修:2024年度は実績ゼロだったが、何とか一件でも受託を目指す。
  • (3)SSH活動:
    ①神戸高校:2025年度も集団指導体制を維持し、「覚書」締結(8年連続)を目指し推進していく。
    ②明石北高校:第4期目を申請中。首尾よく認定されれば、運営指導委員として活動できる。
    ③宝塚北高校:昨年のようにスポット的にも支援できるように働きかけていく。

2024年新団体会員の紹介

WSC

  • 住所:兵庫県明石市西明石北町3-2-21
  • TEL: 078-964-6421
  • 代表者: 代表取締役 施 建江
  • HP:https://wsc-akashi.jimdosite.com/
  • 担当:丹野 一彦 今津 恵介
  • Email::wsc.imazu@wsc-trade.co.jp

会社概要

弊社は、中国のネオジム磁石製造会社の日本窓口機能として創業し、磁石製品の企画製造や精密機械加工を得意とする総合商社で、高品質な輸入商材の供給、オリジナル商品の開発サポートなど、フレキシブルな製品生産サービスを提供しております。

高度な生産技術を持つ工場と、豊富な知識と経験を持つスタッフが連携し、お客様のビジネスニーズに応えることを使命とし、お客様との長期的なパートナーシップを大切にし、共に成長し続けることを目指しております。信頼性の高いネットワーク、迅速な供給体制、厳格な品質管理基準により、安心してお取引いただけるよう、また柔軟かつ迅速な対応によりお客様のビジネスを全力でサポートするように努めております。

取扱い商品は、日用雑貨からセラミック精密加工製品まで多岐にわたる商品を取扱う一方で、中国国内でのコネクションやネットワークを活用し、優れた日本製品を紹介して、日本製品の輸出事業も展開しております。 日本と中国の製造業や経済交流の架け橋となる企業を目指して、日々精進してまいります。

2024年12月には、情報交換会で企業プレゼンもさせて頂きました。今後とも、皆様のご支援とご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

製品、ビジネス

製品イラスト

磁石製品

レアアースの原料から溶解鋳造の第一工程から完成までワンストップで製造。

精密金属加工

金属部品の溶接、精密機械加工、セラミック等の特殊材料の加工。中間商流なく、短納期・低価・高品質で供給、小ロットの試作にも対応可能。

その他事業

鋳造など金属加工関連商品、カメラ周辺機器。輸出事業。

2024年 団体会員トピックスの紹介

株式会社東光バネ工業社

  • 住所(神戸工場):兵庫県神戸市西区玉津町二ツ星107-94
  • TEL : 078-918-2495
  • 代表者 : 代表取締役社長 篠原 進
  • HP :https://toko-bane.com/
  • Email:toukoubane@k3.dion.ne.jp

【会社概要】(製品紹介)

製品イメージ

昭和34年設立から長きに渡り、造船・重機・産業機械・プラントなどの分野でジェットエンジン、船舶用蒸気タービン、各種油圧機器などに使用されるバネを製造しており、高い技術力を有 して
いる。

詳細はhttps://toko-bane.comを参照してください。

トピックス

表彰式

同社は令和6年度「ひょうご仕事と生活のバランス」企業に兵庫県より表彰されました。(令和6年11月29日)

  • 令和3年9月に「ひょうご仕事と生活の調和推進企業宣言」をされ、登録されました。
  • 令和4年9月「ひょうご仕事と生活の調和推進企業」に認定されました。
取り組みのポイント
  1. 1日の労働時間を8ー>7時間に1時間短縮
  2. 目標達成に曼荼羅チャートを活用
  3. 製造現場の環境を改善

先代の田中社長(現会長)が手掛けられた先進的な取り組みが評価され、現在の篠原社長に引き継がれ、今回の表彰となりました。

事業承継がスムーズに進んだことで、企業理念の継承も見事に引き継がれています。

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