「短納期:受注後2週間以内」を売り物に、3Dを駆使し少量開発鋳造品を得意とする鋳物屋。
1946年(昭和21年)に姫路で創業し、「早い、やすい、うまい」を売り物に自動車用プレス金型を主製品として、自動車メーカー、鉄鋼メーカー、金型メーカーなどに多数の鋳造品を供給してきた。
2012年(平成24年)には兵庫県成長期待認定企業に指定された。
当社の錬造方法の特徴は、発泡スチロールを使用したフルモールド製造方式で木型方式に比べ鋳型を短時間で安くでき、しかも3次元CAD設計による試作シミュレーションによりデータ上で製品仕様・品質の確認を行って短納期、低コストを実現している。
日本の物づくりが海外生産にシフトされている状況の中で、国内での試作・開発の重要性が益々増大し、特に開発スピードがキーになる。
フルモールド式鋳造品は短納期開発品に最適で、今後売上げ、収益拡大を目指すためには自動車分野以外の新しい顧客(川崎重工業等)の開拓を必要としていた。
また3D設計集団も武器の1つである。
大手鉄道車両、船舶の設計製造経験をもつアドバイザーとの出会い。
2013年ひょうご活性化センターにおける産業人OBネットと共催の経営革新会、懇親会で川崎重工出身で鉄道車両や船舶の経験を持つアドバイザーが短納期鋳造品に興味を持ち亀山社長に話しかけ、社長の鋳造事業にかける熱い思いに共感して川重への紹介支援を申し出、必要な手続きを経て、支援契約を締結した。
アドバイザーは川重の車両と特殊船舶の設計者に特徴である短納期・低コストで製造できる鋳造プロセスを説明し、実製品を見てもらうよう要請し、後日それぞれ工場見学を行った。その後、車両鋳造品の見積提出は成約には至らなかったが、特殊船の実物大機器模型に納期、コストに加え3D図面から直接的に製造できるメリットにより、従来の木型に代えて、3Dによる発泡スチロール模型を採用することになり、亀鋳の大型受注に結ぴつけることができた。
今後の改善の方向について
- 工場の5S運動の促進支援
- 3D設計技術を用いた設計請負業務の販路拡大支援
アドバイザーの取組み方針など
試作車両で試験中短期改造が必要とされる台車関連の鋳造品や風洞試験用先頭車の発泡スチロール模型の販路を開拓する。
アドバイザー
服部 晃(川崎重工業株式会社OB)
- 企業名
- 株式会社 亀山鋳造所(亀鋳)
- カテゴリ