「令和2年度 神戸市中小企業訪問事業」受託業務

神戸市内の中小製造業を対象に、訪問調査によりその現況を知るとともに諸施策を紹介し、各企業による施策活用の促進と、神戸市の規模の小さな企業に対する支援策充実を図る

新型コロナ感染症に対する施策は活用されているか

新型コロナ感染症に対して、国・県・市から多くの支援施策が実施されている。

従来から規模の小さな企業には施策に関する情報が届きにくい懸念があり、本事業で状況を確認した。

  1. 無利子融資、持続化給付、雇調金等、各制度は総じてよく知られており、ほとんどの企業は支援を活用していることを確認した。同時にまだ活用していなかった企業に、活用を促すことができた。
  2. 最も充実し、かつ最も早く支援情報を入手できる、インターネットを通じての情報入手は多くなく、今後の大きな課題であることを確認することができた。

 

コロナ感染症が落ち着いた後の事業運営の課題は何か

現下の厳しい経済環境は、新型コロナ感染症がおさまれば回復すると考えられ、その時の事業運営の課題は何か、を聴取した。

  1. 販路確保が大きな課題であり、特に新規取引先開拓は難しい。Webツールの活用も、業態と合わないことも多く、ネット活用にはなじみが無い、との意見が大勢を占める。
  2. コロナ感染症により需要が減退しているが、おさまれば人材課題が顕在化してくることは間違いない。人材の確保は、特に規模の小さな企業にとっての最優先課題。

 

プロジェクトの成果(令和2年度)

  1. 訪問企業数は151社。主な業種は、一般機械(39社)、金属製品(34社)、食料品(12社)等である。
  2. 神戸市の販路拡大支援施策であるlogKOBEをはじめ、コロナ感染症対策支援施策にとどまらず、広く神戸市の中小企業支援施策の理解を深めることができた。
  3. 訪問調査結果を報告書にまとめ、提出した。特に規模の小さな製造業の状況と課題について分析し、特にインターネットの活用拡大が支援の重点であることを提言した。

 

プロジェクトを終え

  1. 当年度はコロナ感染症まん延下での調査であり、コロナ関連の調査が主体となった。感染予防の観点から感染予防対策をきっちりした上での調査となったが、各企業には大きな困難無く受け入れていただき、必要な情報を十分に届けられ、また、調査も円滑に実施できた。コロナ感染症下にも関わらず、調査を受け入れていただいた各企業に感謝したい。
  2. 中小製造業は日本経済の要であり、宝であることを再確認した。今後ともその経営に役立つ支援を届ける努力を継続したい。

記入者

中野 直和(神戸市中小企業訪問事業 プロジェクトマネージャー)

神戸市中小企業訪問事業プロジェクトマネージャー
中野 直和氏
住友金属工業株式会社OB
カテゴリ

一覧へ戻る